アメリカ産ジャガイモの輸入解禁、小規模農家や家庭菜園への影響は?

政治(選挙)・社会

最近、アメリカ産の生鮮ジャガイモを日本で流通させるための検疫協議が進んでいます。

私はこのニュースを見ると、どうしても「植物検疫は本当に大丈夫なのだろうか」と考えてしまいます。

私は以前、検疫業務に携わり、全国の発生状況を集計する仕事を担当していました。空港で直接検疫をしていたわけではありませんが、その経験を通じて、海外から病害虫を日本国内に持ち込ませない「水際対策」の重要性を認識しました。

現在、農林水産省では、米国産の一般流通用生鮮ジャガイモについて、病害虫のリスク評価を進めています。米国側からの輸入解禁要請は2020年に出され、現在も日米の検疫当局間で協議が続いています。(農林水産省)

もちろん、アメリカ産ジャガイモを輸入すること自体を否定するつもりはありません。輸入によって価格が下がったり、消費者の選択肢が増えたりするメリットもあるでしょう。

ただ、私が気になるのは、大規模な農業だけではありません。

日本には、家族で農業を営む小規模農家もたくさんあります。そして、私たちの身近には家庭菜園があります。

家庭菜園で育てているジャガイモに、もし日本にはなかった病害虫が入り込んだらどうなるでしょうか。

大規模農家であれば専門家や行政の指導を受けながら防除できる場合があります。しかし、小規模農家や家庭菜園では、病害虫の発見が遅れたり、何の病気なのか分からないまま広がってしまったりする可能性もあります。

特にジャガイモには、農林水産省が警戒しているジャガイモシストセンチュウなどの病害虫があります。現在の米国産ジャガイモの輸入条件でも、指定生産地域や病害虫の発生状況の調査、植物検疫証明書など、厳しい条件が定められています。(農林水産省)

だからこそ、私は「輸入解禁に賛成か反対か」という二択だけではなく、どのような検疫条件なら日本の農業を守れるのかを考えることが大切だと思います。

輸入による経済的なメリットも大切です。しかし、一度日本に侵入した病害虫を根絶するのは簡単ではありません。

大規模農家だけでなく、小規模農家、そして家庭菜園を楽しんでいる人たちまで含めて、日本の農業を守る。

そのために、輸入を進めるのであれば、病害虫の侵入リスクについて、国民に分かりやすく説明してほしいと思います。

コロナの水際対策も、植物検疫も、基本は同じです。

「入ってから対策する」のではなく、「入る前にリスクをできるだけ小さくする」。

私は検疫業務を経験した一人として、この原則を大切にしてほしいと思います。

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