少子化対策を考えるなら、子どもが生まれてから支援するだけではなく、結婚する段階から支援することも必要ではないでしょうか。
そこで提案したいのが、「若者結婚スタート給付金」です。
これは、結婚を希望する若い世代の経済的な負担を軽くするため、結婚した夫婦に一定額を支給する制度です。
1.誰を対象にするのか
対象は、例えば夫婦のどちらかが40歳未満の新婚世帯とします。
ただし、単純に年齢だけで区切るのではなく、所得制限を設ける方法も考えられます。
例えば、
- 夫婦の年齢:どちらか一方が40歳未満
- 法律上の婚姻をしていること
- 日本国内に居住していること
- 一定期間、その地域に居住する意思があること
などを条件にします。
特に地方自治体が実施する場合は、「結婚後も地域に住み続けること」を条件にすることで、少子化対策と地方の人口流出対策を組み合わせることができます。
2.いくら支給するのか
例えば、基本額を50万円とします。
結婚すると、引っ越し、敷金・礼金、家具、家電、結婚式など、まとまった費用が発生します。
50万円あれば、こうした結婚生活のスタートにかかる負担を少し軽くすることができます。
さらに、所得の低い若い夫婦には加算する方法もあります。
例えば、
基本給付:50万円
世帯所得が一定以下:+30万円
として、最大80万円まで支給する仕組みです。
ただし、結婚式などの費用だけを対象にするのではなく、新居の家賃、引っ越し、家具・家電、生活費など、夫婦が自由に使える給付金としたほうが利用しやすいでしょう。
3.子どもが生まれたら追加支援
結婚祝金だけで終わらせるのではなく、子育て支援につなげます。
例えば、
結婚時:50万円
第1子誕生:30万円
第2子誕生:50万円
第3子誕生:100万円
という段階的な支援です。
こうすれば、結婚、出産、子育てという人生の節目ごとに経済的な支援を受けられます。
ただし、「お金をもらえるから子どもを産む」という制度にしてはいけません。
あくまで、子どもを持ちたいと考えている家庭が経済的な理由で諦めなくて済むようにすることが目的です。
4.結婚祝金だけでは不十分
ここが非常に重要です。
50万円や100万円を一度支給しただけで、少子化が解決するわけではありません。
結婚後には、
- 家賃
- 住宅ローン
- 食費
- 保育料
- 教育費
- 医療費
- 車の維持費
- 奨学金の返済
など、継続的な支出があります。
したがって、結婚祝金は**「スタート時の支援」**と位置づけるべきです。
その後は、子育て支援、住宅支援、教育費の軽減、奨学金返済支援などにつなげます。
5.奨学金との組み合わせ
さらに、この制度と奨学金対策を組み合わせる方法も考えられます。
例えば、結婚した若い夫婦について、奨学金の返済を一定期間軽減する。
さらに子どもが生まれた場合には、返済期間を延長したり、返済額を軽減したりする。
ただし、ここには公平性の問題があります。
子どもを持たない人や、すでに奨学金を返済した人から不公平だという声が出る可能性があります。
そのため、奨学金については「結婚したら全額免除」という単純な制度ではなく、所得や子育てによる家計負担を考慮した返済支援にする必要があります。
6.財源をどうするのか
最大の問題は財源です。
結婚する人全員に50万円を支給するとなれば、相当な予算が必要になります。
だからこそ、国がすべて負担するのではなく、国と自治体が役割分担する方法も考えられます。
例えば、
国:基本給付30万円
自治体:地域の事情に応じて10~30万円を追加
という仕組みです。
また、所得の高い世帯には支給額を減らし、低所得の若い夫婦には手厚くすることで、限られた財源を必要な世帯に集中させることもできます。
7.現金だけでなく「結婚生活支援」にする
私は、さらに一歩進めて、結婚祝金を現金給付だけにしない方法も面白いと思います。
例えば、
結婚祝金50万円
に加えて、
- 公営住宅の優先入居
- 家賃補助
- 引っ越し費用の補助
- 子育て用品の支援
- 地方での住宅取得支援
などを組み合わせます。
こうすれば、単なる一時的な現金給付ではなく、**「結婚して生活を始めるための総合支援制度」**になります。
8.この制度の目的
この制度の目的は、「結婚しなさい」と若者に迫ることではありません。
結婚するかどうかは、一人ひとりが自由に決めることです。
そうではなく、
「結婚したいけれど、貯金がない」
「新居を借りるお金が足りない」
「奨学金の返済がある」
「給料が少なくて将来が不安」
という理由で、結婚を諦めている人がいるなら、その経済的な壁を少しでも低くする。
それが、この制度の目的です。
結婚を「贅沢」にしない
結婚は人生における大きな選択です。
しかし、若者が「結婚したら生活が苦しくなる」と考えてしまう社会で、少子化を解決することは簡単ではありません。
だからこそ、
結婚時に50万円。
子どもが生まれたら追加支援。
2人目、3人目とさらに支援。
住宅費を支援。
奨学金の返済負担も軽減。
そして、何よりも若者の賃金を上げる。
こうした政策を組み合わせる必要があります。
結婚祝金は、それだけで少子化を解決する魔法の政策ではありません。
しかし、若者が新しい生活を始める際の経済的な負担を軽くする「最初の一歩」としては、十分に検討する価値があるのではないでしょうか。
若者が「結婚しても大丈夫」と思える社会をつくる。
そのための具体的な政策の一つとして、「若者結婚スタート給付金」を提案したいと思います。

