コロナ対策、水際対策は本当に適正だったのか

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2020年から始まった新型コロナウイルス感染症。あれから数年が経ちましたが、私は今でも当時の国のコロナ対策、とりわけ「水際対策」は本当に適正だったのだろうか、と考えることがあります。

私には、検疫業務に携わった経験があります。空港で直接検疫を行っていたわけではなく、全国の発生状況を集計する業務を担当していました。

その中で強く感じていたのが、海外で発生した感染症を日本国内へ持ち込ませない、あるいは持ち込まれても早期に発見し、感染拡大を防ぐ「水際対策」の重要性です。

特に印象に残っているのが、1995年頃のインドネシア、バリ島でのコレラです。当時、インドネシアで感染したコレラ患者が日本で多数確認され、空港などでも厳しい検疫対応が行われました。私自身も検疫業務に携わる中で、その大変さを感じていました。

この経験があるからこそ、2020年からのコロナ対策についても、水際対策は非常に重要だったのではないかと思っています。

コロナでは、2020年10月から外国人の新規入国が段階的に再開されました。経済活動や国際的な人の往来を維持することも必要だったのでしょう。しかし、その後、海外で新たな変異株が次々と確認され、日本でも2020年末から水際対策が強化されました。2021年1月には外国人の新規入国を原則停止するまでに至っています。

その後、2021年にはアルファ株、そして夏にはデルタ株が国内で急速に広がりました。2021年の第5波では約93万人の感染者が確認され、デルタ株が主流となりました。(PubMed Central (PMC))

もちろん、感染拡大の原因を外国人の入国だけに求めることはできません。一度国内に入ったウイルスは、日本国内の人から人への接触によって広がります。

しかし、感染症対策では「国内に入ってからどうするか」だけではなく、「国内への侵入をどれだけ遅らせるか」も重要です。

私は当時、政府が経済活動と感染防止の両立を目指していたこと自体を否定するつもりはありません。経済を止め続けることにも大きな問題があります。

ただ、病院では診察を制限するなど非常に厳しい感染対策が行われていた一方で、国際的な人の往来については、どのタイミングで再開し、どこまで制限するべきだったのか。

今だからこそ、冷静に検証する必要があると思います。

「あの時、もう少し早く、もう少し厳しい水際対策を取っていたら、変異株の国内への侵入や感染拡大を遅らせることができたのではないか」。

これは結果を知っているから言える「結果論」なのかもしれません。しかし、過去の経験を検証し、次に起こる感染症に備えることは、決して無駄ではありません。

検疫業務を経験した一人として、私は改めて「水際対策の重要性」を訴えたいと思います。

命を守ることと経済を守ること。その両方をどう両立させるのか。

コロナ禍で私たちが学んだ大きな課題の一つではないでしょうか。

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